2007.07.02オンライン・ショッピングに疲労感?
オンライン・ショッピングの売上げの伸びが減少しているらしい。 先だって報じられたニュースによると、オンライン・ショッピングが登場して以来、売上げは毎年25%ずつ伸びていたのが、2004年からその伸びが鈍化し、今や20% を切っているという。今後ずっと伸びは減り続けるという。ただ、それでも売上げ自体の数字は増え続けているので、 あまり悲観することはないのだが、ここへ来てユーザたちがインターネットに対する「ファティーグ(疲労感)」 を感じ始めたのではないかというのが、アナリストたちの見方だ。
鈍化の理由は、いろいろに分析されている。ひとつは、 すでにオンラインによるショッピングは1160億ドルと買物全体の5%を占め、 これ以上伸びが期待できないところにまで成長したというもの。これまで店舗を持たずにガンガン売ってきたデル・コンピュータが、 最近になっていくつもの店舗を出し始めたのも、そうした傾向を受けてのことである。 クリックで買物をするのは確かに便利な反面、 商品を実際に触ったり、店員とやりとりすることがない。 そうした買物本来の楽しみが再び求められてきたということだ。
面白いのは、エクスペリエンスに関する分析である。 オンラインから人々が離れつつあるのは、コンピュータに向かうという「まるで仕事と変わらない」 状態から離れた経験を人々が買物に求めているというのだ。「オンライン・ ショッピングをやってもお役目を果たしているようで楽しめない」と、あるユーザは語っている。アップル・ ストアのような楽しい店舗が出てきたのも、それと無関係ではないという。
アマゾンに押されてばかりだった従来の書店も、 客を呼び戻すためにいろいろな工夫をしている。書店チェーン大手のボーダーズは最近、 オンラインで本を注文し店舗で受け取るというサービスを始めた。オンラインで読者クラブを組織するのはバーンズ&ノーブルだ。 ごく普通の町の書店も、若くて知識のある店員を配置し、これまでのかび臭い本屋のイメージを変えようとしているという。
何をオンラインで買って、 何を店頭で買うかをしっかり見極める消費者も多くなった。見つけるのが難しいもの、あるいはどこで買っても同じものはオンラインで。 けれども大切なものはやっぱり実際に見て買いたい。そう思う人々が増えてきたのだ。
オンライン・ショッピングが物珍しくて、 何でも買おうとした時代はすでに終わりつつある。つまり、 インターネットと物理的店舗との本格的な能比べはこれから始まるということだ。オンライン・ショップには、 インターネットならではのサービスと、物理的な店舗にも負けない使い心地が求められることになる。「仕事」 のコンピュータとは異なった使い心地を提供するしくみも必要だろう。他方、店舗の方はオンラインの機能を盛り込みながら、 さらに店舗のある強みを前面に押し出してくる。
いずれにしても、正面衝突ではなく、巧みな戦略で自らの強みを発揮する。 これからがおもしろくなりそうだ。




