2007.11.30顧客アンケートの煩雑さは、どう簡略化できるのか
アメリカにいると、 いろいろな場面で顧客フィードバックをさせられることが多い。
たとえば、電話で航空券を購入する、あるいは電話で何かの申し込みをするなど、 カスタマー・サービス担当者との話が終わった後に、その対応についてのアンケートに答えさせられるのである。 アンケートには改めて電話がかかってくるものもあれば、「アンケートにお答え下さい。このまま電話を切らずにしばらくお待ち下さい」 というメッセージがあって、電話のすぐ後に自動アンケートの質問が始まるというしくみのものもある。
あるいは、ホテルに泊まった場合や飛行機に乗った場合。 数日後にメールが届いて、その時のサービスをどのくらい評価するかについて、 質問リストがずらずらと並んでいるのを目にすることも多い。「お答えいただくのにかかる時間はたったの2分」などと謳っているが、 たいていその3倍はかかってうんざりするものだ。
ひどいのは、電話口のカスタマー・ サービス担当者やセールス担当者自身が会話の最後に「お客様のご要望にすべてお応えしましたでしょうか」と質問してくるケースだ。 これはどうも最近のアメリカのサービス評価の定型になっているようで、おそらく別のサービス・ コンサルタント会社などがテープ録音から顧客フィードバックを分析しているのだろう。「他に御用はございませんか」ではなく、 「お客様のご要望にはすべてお応えしましたでしょうか」といったような誤解の余地のない表現で尋ねてくるあたり、 どうも先方の都合で作られたマニュアルにつき合わされているようで、気分が悪い。
アメリカの場合、こうした顧客フィードバックを取るのは、 それがセールス担当者自身へプレッシャーをかけて、いいサービスを強制するという目的を果たしているからでもある。 だが過剰なフィードバックを顧客へ押し付けるのはいかがなものか。
アマゾンなどのオンライン・ショップでも、 評価をつけるようメールが送られてくる。確かにユーザーのこれまでの評価はそのショップの商品を買う際に大いに参考にしているのだが、 どうも気が進まない。その理由のひとつは、たとえば古本など同時に何冊も購入してしまった場合、 いったいどのショップがどの本を送ってきたのか、それぞれの対応がどうだったのか覚えていない場合が多いからだ。もうひとつの理由は、 自分でわざわざリンクを開いて質問に答えるという手間が実にめんどうで、時間も無駄だからだ。
世の中の顧客サービスの向上のために、そしてインターネット・ コミュニティーの向上のためにこうしたアンケートには答えるのがいいことだとはわかっているが、 これだけたくさんのアンケートが方々からやってくると、それに費やす時間は無視できないものになる。後ろめたいが、 できればなしで済ませたいというのが正直なところだ。
そう思っていたら、 日本のアマゾンのある古本ショップから届いたメールに心が惹かれた。「ショップの評価メールのお願いが後ほどアマゾンから届きますが、 お気になさらないで下さい」とあったのだ。これには救われた気持ちがした。
そこで考えたのだが、顧客フィードバックでひとこと言いたいというのは、 だいたいにおいて苦情がある時ではないだろうか。あるいは、 担当者が自分のルーティーンを超えてひどくいいサービスをしてくれた場合である。それ以外は、こちらは「おおむね満足」 という状態なのだ。そのおおむね満足のところへ、アンケート依頼などが届くと、返って満足度は下がってしまうのである。
ひとこと、またはクリックひとつで済むようなフィードバックはないものか。 あるいはネガティブな評価だけ、群を抜いた優れたサービスだけを拾い上げるアンケートはないものか。 ネット世界のやりとりが煩雑化する中で、こうした部分での細やかな心配りが注目される。




