米国マーケティング最新事情 - 瀧口範子

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2008.04.01大学広報部の専門家リストに感心する

たどりつくたびに感心するサイトがある。大学の広報部のサイトだ。

なぜそういうサイトにたどりつくかと言えば、 いろいろインターネットで調べものをしていてのことが多い。あれこれ専門用語や専門家の名前を追っていくうちに、 そうした大学の広報部のサイトにたどりついてしまうのだ。

アメリカの大学の広報部のサイトには、 なかなかに内容が充実しているものがある。たいていは「○○大学ニュース」というフロントページが出てきて、 大学でどんなイベントがあるといったことから、教授の誰かが受賞した賞、ある研究室で進められている研究内容の詳細な分析など、 幅広い。言わば大学新聞といったところなのだが、それが冷たいアカデミア的な退屈なものではなくて、一般人が読んでわかって、 さらにおもしろいというアプローチなのである。「ああ、知識があるというのは、なるほどいいものだなあ」と、 そうしたサイトで少しばかりかじった研究内容などを反芻しながら、そんなことも考えてしまう。

で、その大学広報部のサイトの中でもさらにおもしろいのが、 時事問題に合わせて大学内の教授陣を専門家としてわかりやすくラインアップしているものだ。

たとえば、カリフォルニア大学バークレー校の広報部サイトを見てみよう。 『2008年大統領選』というリンクがあって、これをクリックすると、 40人ほどの同大学の教授の顔写真と研究内容がずらりと出てくる。すべて「大統領選関連の専門家」だという謳いである。

その中には、まともに政治科学や公共政策の教授もいれば、 国際関係研究者や人種問題を専門にするアメリカ研究者もいる。さらに、パフォーマンスの専門家である演劇研究者、社会心理学、統計学、 エネルギー再利用、保健問題、移民問題、言語学、宗教学研究者まで、かなりの分野を網羅しているのである。

このリストを見ているだけで、「ああ、そうか、この大統領選は、 大統領の人となり、公約している政策の内容、人種問題、ふるまいによる大衆の意見の動かし方、さらには言葉遣いにいたるまで、 あらゆる観点から検証する必要があるのだなあ」と認識させてくれる。もっと関心があれば、それぞれの教授のサイトへ飛んで、 さらに研究内容を読めばいいのだ。このリストを作っている広報担当者は、本当に偉いと思う。

あるいは、シカゴ大学広報部のエキスパート・ページに行くと、 トピックごとの専門教授が呼び出せるようになっている。たとえば「グローバリゼーション」をクリックすると、歴史から政治、言語学、 音楽などの研究者のリストが出てくる。同じ大学でも、もし学部や学科ごとにしか教授のリストが出てこないようなサイトなら、 いったいグローバリゼーションの専門家などどうやって探していいのかわからないだろう。

縦割りではなく、縦横無尽割りとでも言おうか。いや、それよりも、 持てるウェブの資産を、その時々の状況に合わせて再構成してわかりやすく、使いやすく見せる工夫と言うか。 そうしたことがどんなに大切か。そのあたり、まだまだ可能性はあるのだ。

 

■カリフォルニア大学バークレー校広報部:2008年大統領選

http://newscenter.berkeley.edu/extras/election/pres08.shtml

 

■シカゴ大学広報部:エキスパート・ページ

http://experts.uchicago.edu/