2008.05.01消費者参加型の広告制作というトレンド
ここ最近、広告制作でおもしろい動きがある。 消費者が制作に参加するというものだ。市民ジャーナリズムなど、 ごく普通の人が報道の一端を担うという動きはしばらく前から見られたが、広告にまでその潮流が現れたということになる。
そんな消費者参加型の広告制作を推進しているのが、 カレントTVである。カレントTVは、全副大統領のアル・ ゴアが共同創設したケーブルおよびインターネットTV。最初は、若い視聴者向けのテレビ局としてスタートしたが、 現在はユーチューブと同様、ユーザーが投稿するビデオで成り立っているものだ。ところが、ひとつおもしろいしかけがある。 それがVCAMというユーザー制作の広告である。
VCAMのしくみは、以下である。まず、カレントTVに広告を出したい広告主が名乗り出る。 その広告主が同意すれば、VCAM公募の告知を発表。その際に、広告制作の条件なども明らかにされる。たとえば、 今広告制作を公募しているのは、ワチョビアという個人向け投資事業も行う商業銀行だが、同社の新製品の告知広告を「節約して、 10年後にお金を貯めていたいと思わせる理由がわかる広告」を、「60秒以内で」「楽しい感じで」 制作してほしいと条件を挙げている。
VCAMには、アマチュアがひどい低予算で制作した広告がいろいろ見られるが、 中には傑作もある。何かホッとするもの、結構笑えるものなど、バリエーションもさまざまだ。こうした投稿広告から、 実際にカレントTVで放映、掲載が決まった作品には2500ドル(約25万円)の賞金が授与され、 広告主がカレントTV以外でもその作品を放映したいとなった場合は、なんと6万ドル(約600万円) の報酬が与えられることになっている。
広告代理店が制作する、ピカピカだがありきたりの広告を逸脱するような、 おもしろい広告が見られると同時に、VCAMが才能の登竜門となって、 これから広告制作で花を開かせるユーザーもいるかもしれない。なかなかにおもしろい試みなのだ。
ノキアもユニークな動きに乗り出した。 ユーザーが投稿するコンテンツを元にして、有名な映画監督スパイク・リーがショート・フィルムを制作しようというのだ。ユーザーは、 8月21日までに独自の画像やテキスト、音楽、写真などを指定サイトにアップロード。 リー監督がその中から材料を選んで、10分程度の短編映画をつくるという。 何が出てくるかわからないところがエキサイティングだが、それを一体どう料理するのか。おもしろいことになりそうだ。ショート・ フィルムは、間もなくロスにオープンするノキア・クラブで発表されるという。
専門家は、こうした企業の動きを「消費者とのむすびつきを強化するため」 の方策であり、ブランドのイメージに大きく貢献すると分析している。自在なインターネットの参加型メディアが、 もうひとつ領域を拡げたようである。
■カレントTVのVCAMサイト:
■ノキアの投稿サイト:
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