2008.06.06オン・デマンド印刷のゆくえ
オン・デマンド印刷が、ちょっと注目を集めている。 インターネットで画像を送り、それを印刷してもらって、送り返してもらうというモデルを最初にわれわれが触れたのは、 確か2002年のマックワールドでのことだった。アップルは、 写真整理ソフトのiPhotoから画像を送信すれば、それをプリントしてアルバムに製本してくれるというサービスを発表して、 観衆をうならせた。
その後、写真アルバムの世界ではざまざまなサービスが登場している。 紙やバックのパターンを選べたり、フォーマットを選べたりするものから、ただの簡易製本ではなく、 まるで手づくりでつくられたような豪華な雰囲気のものまで。これがデジタル写真でつくったアルバムかと、 見まがうようなサービスができているのである。
さらにおもしろいオン・デマンド印刷の例は、 イギリスから始まったMooという会社のサービス。 ここは自分で撮った写真を名刺よりひとまわり小さなカードに印刷してくれる。しかも、 100種類の写真を送れば100枚のカードがそれぞれ異なった絵柄になるという、嬉しいしかけだ。
これは、ソーシャルネットワーク世代に人気があるらしく、 仲間でシェアしている写真をそのまま紙にして、ちょっと一言書いたり、あるいは自分のサイトのURLをメモして渡したりするらしい。そのカードはとても小さいのだが、Mooの創設者は 「名刺のようなものはダサい」という理由で、ビジネスとは一線を画した「仲間感」を打ち出しているのである。同社は、 グリーティングカードなども印刷している。
Mooほどセンスはよくないが、「何にでも印刷します」というサービスがQoopである。 同社のサイトを見れば驚くが、Tシャツやキーホールダーはもちろんのこと、マグカップ、ステッカー、マグネット、 果ては包装紙まで、おどろくほどたくさんのモノに仕上げてくれる。しかも値段は安く、Tシャツで18ドル、 包装紙で16ドルほどである。
出版社が発行する本や雑誌をオン・デマンドで印刷、 購入するというアイデアは以前からあるが、なかなか商売になるモデルが確立できないようである。だが、 自費出版には少しずつインターネット印刷が広まっているようだ。Blurb、luluといった会社がレイアウト・ソフトも提供して、 写真と多少のテキストを組み合わせたページを印刷し、それを製本にするというサービスを始めている。自費出版した上、 そのサイトで売ることも可能。行き届いたサービスぶりだ。
インターネットにすべての情報が移行して、 もはや紙は必要ないのかと思っていたが、印刷はけっこう面白いところに向かって行くかもしれない。これまでは印刷と言えば「マス」 のためのものだったが、それが「個」や「仲間」向けにも対応するということだろうか。小回りのきいたオン・ デマンド印刷はこれから雨後のタケノコにように出てくるかもしれない。
Moo:
Qoop:
Blurb:
lulu:




