2008.10.01社会を変えるアイデアを、グーグルが公募中!
ここ最近、高いアクセス数を誇っているサイトがある。 「プロジェクト10100(10の100乗プロジェクト)」 だ。
プロジェクト10100は、グーグルが運営するサイトで、 できるだけ多くの人々を助けて、世界を変えるアイデアを募集するというもの。 グーグル創設10周年を記念してスタートしたもので、数日前にサイトがアップした。アイデアのある人は、 10月20日までに提出。それをグーグルが100件にまで絞り、そこで一般の人々による投票を行って20件のセミ・ ファイナリストを選出。その上で、さらにグーグルが組織した委員会が5件のファイナリストを選ぶという手順だ。
グーグルは、この5件が決定された後、1000万ドル(およそ10億5000万円)をその実現のために投資すると公約している。 言わば、ソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)が商売を立ち上げるための創業資金を提供するというものである。 今やビジネスとして巨大化したグーグルは、プライバシー問題などで批判されることも多いが、 同時にこうした社会に意識的なプロジェクトを率先して遂行するのにふさわしい会社として見られているというのは、 面白いブランド性だと言ってもいいだろう。
プロジェクト10100が募集しているカテゴリーは、 コミュニティー、機会 (人々により恵まれた機会を与えるためのしくみ)、エネルギー、環境、健康、教育、シェルター、 その他すべて。 アイデアの基準として、リーチ(できるだけたくさんの人々に影響を与えること)、深さ (どのくらい深く人々の生活にインパクトを与えるか、どれほど火急の問題を解決するか)、実行可能性 (どれだけ早く成し遂げられるか)、効率性(アイデアはコスト効率的か)、寿命(どれだけ耐久性のあるアイデアか) となっている。かなり明解な設定だ。
このサイトへのアクセスが増えているというのは、 1ヶ月あまりという短い締め切りまでの時間内でアイデアを投稿しようとしている人々、セミ・ ファイナリストが出たところで投票に参加したいと登録している人々が多いということだろう。アイデアの中身も社会貢献的だが、 そんなアイデアを公募するグーグルのこのサイトも社会貢献ビジネスのひとつだ。グーグルは、立ち上げ資金を投入した後、 これぞと思うビジネスにはさらに投資を続けることは間違いないからだ。
最近感じるのは、 社会貢献とビジネスとの境界線がますます曖昧になっているということである。今までこのふたつは相反するものとしてとらえられてきた。 大企業がフィランソロピーに寄付するという構図もあったが、それは商売で設けた金を、方向を変えて社会貢献にまわすというもので、 ふたつの世界は異なったものとしてとらえている点で従来型である。
だが今、もっとも革新的なビジネスというのは、「まったく異なった世界を、 ひとつにつなげるしくみ」である。社会貢献をビジネスにするということでは、グリーン・テクノロジーしかり、カーシェアリング・ サービスしかり、マイクロ・ファイナンスしかりである。その際、これまでと違って、 社会貢献ビジネスのサービスや製品が決して高くないとか、ブランド性が高いとか、 ステートメントになるといったようなしかけが必要ではあるが、そこがまさにビジネスとしての腕の見せどころだろう。 グーグルのプロジェクト10100は、ブランド性だし、 数ドルからの途上国の寄付を可能にして話題になっているKiva.com というサイトなどは安いという魅力、 そしてアメリカでは在庫切れが続くトヨタのプリウスは、製品のデザインで強力なステートメント性を打ち出すのに成功した例だ。
社会の再編とビジネスの相関関係。ここをじっくり考えれば、面白く、 意味もあり、儲かる新しい商売のアイデアが生まれるかもしれない。
プロジェクト10100
http://www.project10tothe100.com/




