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2009.02.02「ソシオグラム」を他サイトに移植する、フェイスブックの次の手

オバマ就任でやっと落ち着いたアメリカ。 大統領決定まで2年かかって繰り広げられた今回の選挙は、やはりインターネット、中でもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) をプラットフォームにした組織づくりやインスタント・メッセージングのやりとりが威力を発揮した。

そうした中で、もりもりと威力を発揮しているのがフェイスブックだ。もちろん、 これまでもフェイスブックの仲間ネットワークの強固さや1億5000万人というユーザー数は話題になっていたが、 最近のフェイスブックはそれとはまた別の強みを発揮している。

その強みとは、他のサイトやサービスに移植されて、 そこでまたフェイスブックのグループ活動が展開し、フェイスブック流の関係づくりがどんどん広がっていることである。

たとえば、くだんの大統領就任式の際、 フェイスブックを統合したのはCNNライブだった。CNNライブは、CNNのテレビ番組をライブフィードしたり、 後になってからストリーミングできるようにしているサイトだが、就任式当日にはCNNライブ・ サイトの左側で就任式の様子をリアルタイムで見ながら、 右側でフェイスブックのグループの仲間とメッセージを交わし合うことが可能になった。

フェイスブックの発表によると、 就任式の間フェイスブックのステータスをアップデートしたのは100万人。オバマのスピーチ開始後1分間に8500件のアップデートがあったという。 これは大きな成功だった。感動的な場面を見せながら、仲間とシェアしたいという人々の心を、 テクノロジーでうまく拾い上げたわけである。

企業内で使われるソフトにも、フェイスブックが統合されている。たとえば、 SaaS (サービスとしてのソフトウェア)、最近ではクラウド・ コンピューティングと呼ばれる購読モデルで企業向けCRS(顧客関係管理ソフト)を提供するセールスフォースは、 その中にフェースブックを統合している。

たとえば、自分が関わっている企業で求人があったとする。 誰かを推薦したい場合は、CRSの中でリンクされている自分のフェイスブック・グループにアクセスして、 その人をつなげることができる。つまりは、わざわざ新しいウィンドウを開けてブックのサイトにアクセスしなくても、 ひとつのサイトからいつものグループに関われるというしくみだ。

あるいは、顧客と担当者、関係する会社の担当者らがCRSの中でフェイスブックのグループをつくり、 そこで普通のフェイスブックの仲間とやりとりしているような関係性を保っていく例もある。 もともとは個人のネットワークのしくみだったのを、企業向けソフトに移行させたということだ。

こうした他サイトに移植されるのは、フェイスブックのいわゆる「ソシオグラム」 と呼ばれる部分である。フェイスブックは複数の仲間同士がつながっている関係の構造図があるのだが、 それを他の場面でも流用するわけだ。そうすれば、フェイスブックの仲間グループ、あるいは仲間とつながるしくみを、 他の場面でも同じように使い続けていくことができる。これが進めば、 インターネットの人間関係の構造はフェイスブック流で標準化されてしまうかもしれない。

フェイスブックは今でも株は未公開のプライベート企業。一体、 独立したサイトとしてやっていくのか、あるいはどこかの大サイトに買収されるのかという議論が当初はあったが、 根っこの構造を移植してどんどん拡大するという、こんな新たな手があったかと感心するのである。