2009.05.07ページのレイアウトが変わる、新しいニュースのサイト・デザイン
消費者はニュースをどう読むのか。
これは今、新聞や雑誌、 テレビなどのメディア会社にとって最大の関心事になっている。紙の媒体がインターネットに移行する動きはもはや止めようもないし、 テレビの多くもインターネットや携帯で見られるものになっている。
現在のオンライン新聞は、紙媒体でやってきた「文字+写真」 をそのままオンラインに流用してきたわけだが、はたしてこれがインタラクティブなインターネットの特徴を最大限に生かしたものなのか、 そして新しいデジタルな読者が読みやすい、読みたいと感じている方法なのか。それを探るべく、 世界のメディア会社が研究や開発を続けているのである。
そのひとつ、msnbc.comがまったく新しいタイプのオンライン紙面を実験している。 MSNBCは、マイクロソフトとネットワーク・テレビ局NBCが共同運営するサイト。もとより、 ニュースに関連したビデオのリソースが豊富だ。
ここで今実験的に行っているのが、テキスト、図、ビデオのうち、 どれを見るかによって、ページのレイアウトががらりと変わるというものである。この実験プロジェクトは、 インディアナ州の田舎町の経済状況をレポートする一連のニュースの中で進行中だが、たとえば「経済指標調査によると、 アメリカの93%の地域が不況で苦難」というニュースを呼び出すと、 まずはテキスト中心のレイアウトが現れる。
同時にスクリーン下方に小さなボックスが表示され、テキスト、図、 ビデオ間の切り替えがクリックひとつでできるようになっている。図をクリックすると、ページが上方へスクロールされ、 各地域の経済指標を色分けして示した図が中心に表示される。つまり、 もともと図もテキストと同じページ上にレイアウトされているのだが、 何を見たいかによってブラウザーが自動的にスクロールするというしくみだ。
ビデオをクリックすると、今度は下方へスクロールされる。 スクロールの速度はいずれもかなり高速で、画面が切り替わる時間がまったく気にならない。
ページ上に図、テキスト、ビデオがその順番で並んでいるので、 それを自分でスクロールして見ても構わない。その場合は、それぞれに「+」「-」マークが付いていて、 不必要なものを非表示にすることもできる。
この実験の意味するところは興味深い。ひとつには、 ブラウザーのスクロールという動きを自動化するというごく簡単なことで、 ページやコンテンツのイメージがずいぶん違って見えることである。インタラクティブ性が強まるし、 使いにくい長々としたサイトを強いられているというイメージも消える。
もうひとつは、オンラインでニュースを消費するようになったわれわれは、 せっかちになっているということである。ともかく見たいものにすぐ行き着きたい。 リンクをクリックしてページがアップロードされるのや、ビデオがダウンロードされるような時間を待っているのはイヤなのである。
ニューヨーク・タイムズやBBCなども、自社内にエンジニアたちの研究開発部署を持ち、 新しいメディアのありかたをあれこれ実験している。コンピュータではなく、スクリーンが壁と一体化され、 そこでニュースを読むようになると、どんなインターフェイスがいいのか。あるいは、 自宅で読んでいたニュースをそのまま携帯デバイスに移行させて持ち歩くようなことは、どのようにすれば使いやすいのか。 そんな研究を、実際にプロトタイプを作って実験しているのである。
インターネットに移行したものは、メディア消費だけでなく、ショッピング、 音楽鑑賞、友達とのやりとりなど、さまざまな行為に渡っている。 これまでは前インターネット時代の方法をそのまま踏襲するしかなかったが、実は本当に求められている方法は他にもある。 まずはそう考えることが、新しい方法を見いだす出発点なのである。
msnbc.comのオンライン紙面の例:
http://www.msnbc.msn.com/id/30439406/?sp-dt
http://www.msnbc.msn.com/id/30354991/#sp-tx/page-2




