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2009.07.01ディズニーのネットパルが示唆する、ネットブックを利用した新しいビジネス・モデル

ネットブックが広まっている。

ネットブックの魅力は、もちろん安いこと。アメリカでは200ドル台のネットブックも登場。もう携帯と同じ領域に入ってきたと言ってもいいだろう。 もうひとつは軽いこと。出勤の際に、あるいは出張の際にかばんに入れて持ち運んでも気にならないほどの軽量さ。 この便利さが人気を得るのは当たり前である。

だが、 世に溢れているネットブックがまだその潜在力を充分に発揮してないと感じたのは、ディズニーが特製のネットブック「ネットパル」 を発売するというニュースを目にしてからである。

数週間後に発売予定のディズニーのネットパルは、お値段350ドル(約3万3000円)。 男児用と女児用にブルーとピンクのモデルが発売されることになっている。だが、面白いのはそんな外見のことではない。 ディズニーは、このネットパルにディズニーのマーケティング戦略をたっぷりと盛り込んでいるのである。

画面をひらくと、そこはもうディズニーの世界だ。ミッキーマウスや白雪姫、 カーズ、ウォーリー、ハンナ・モンタナなど、ディズニーの新旧の人気キャラクターが勢揃いで、 まずは大好きなキャラクターを利用して自分の画面をカスタマイズすることができる。

Wifi接続が可能で、盛り込まれているアプリケーションはブラウザーや電子メールなど。 電子メールには自分の好きなキャラクターのアイコンを付けて送信できる。その他にも、 音楽や写真をオーガナイズするツールもついていて、子どもながらちょっとしたコンピュータ・ユーザーの気分になれる代物である。

ブラウザーでは、ディズニーお勧めのサイトに接続が可能。たとえば、 人気のクラブ・ペンギンは、有料のメンバーになることで楽しいお遊びがたくさんできる世界である。その他にも、ディズニー・ ラジオを聞きながら、自分の好きな曲をクリックひとつでリクエストするのもよろしい。ボブルヘッドというツールは、 人気のキャラクターの写真に自分の顔を挿入しておもしろがるというもの。子どもが喜びそうないたれり尽くせりのツールが、 ネットブックにパッケージされていて、それがそのままディズニー人気を押し上げるのに直結するというモデルなのである。

ネットパルは、もちろん親対処にも抜かりがない。 ネットパルに搭載されているペアレンタル・コントロールは何と40種類。特定のサイトにしか行けないとか、 子どもがどうコンピュータを使ったかの記録がモニターできるとか、こちらも負けずにいたれり尽くせりである。 子どもにとっても楽しく、親にとっても安全。できるだけ早い時期に子どもをコンピュータになじませたいという親には、 願ってもいない機器が登場したのである。

ディズニーがこんなことができるようになったのは、 ネットブックの安価さによるところが大きい。これまでならば、親のコンピュータで走る子ども用のアプリケーション・ ソフトを買うのがせいぜいだったが、350ドルで子ども専用のラップトップが手に入るのならば、 買ってみようかと重い腰を上げる親も出てくるだろう。しかも、ネットパルはディズニー・モードを無効にすれば、 ごく普通のネットブックとしても使用ができる。数年後に成長してしまう子どもでも、末永く使えるのである。

つまりネットブックは、 もはや教育オモチャの部類に進出してきたというわけである。いや、ディズニーの場合は、教育オモチャの外見をとったマーケティング・ ツールだろうか。

ここで学べるのは、ひとつの企業が、自社コンテンツやサービス、 自社に役立つマーケティングのしかけを盛り込んで発売すれば、ネットブックはユーザーにとってユニークな機器になり、 同時に企業にとって有力な武器になるということなのである。ディズニーだけでなく、 ひょっとしたらこのモデルが使える企業は他にも無数にあるのではないだろうか。

ネットブックの安さだけに目を奪われていては、 なかなか思いつけないビジネスの好機がここに隠れているのだ。

 

■「ネットパル」参考サイト

http://www.toysrus.com/product/index.jsp?productId=3687822
(トイザラスのオンラインショップ)
http://www.wired.com/gadgetlab/2009/06/disney-netbook/
(ワイヤードのレビュー)