m.c.t.ホーム > エクスペリエンスマガジン > 米国マーケティング最新事情 - 瀧口範子 > グリーン・メディアとグリーン・ツールの登場

2010.01.14グリーン・メディアとグリーン・ツールの登場

オバマ大統領が就任して以降、アメリカでのグリーン意識の高まりには驚くものがある。グリーン・プロダクト、グリーンな企業活動、グリーン・レストラン、グリーン開発と、グリーンやエコがあらゆる分野に浸透している。

そうした中で、環境に意識的な製品や企業の存在を知らしめるインターネット・メディアにもいろいろなものが登場している。「グリーン」や「エコ」を叫んでも、本当のところはどうなのか。それを評価したり、ユーザーの力によって確かめたりしようというものだ。

たとえば、ジェン・グリーンライフというサイトをみてみよう。このサイトは、全米でグリーンに意識的な企業のディレクトリーを提供するのを目的としている。
たとえば、シリコンバレーの中心地パロアルトの郵便番号で企業リストを呼び出すと、建設業者、小売店、教育関連企業、レストラン、金融関連企業などが出てくる。

エコに強い関心を持つ消費者が、やはりエコ志向の会社のサービスしか受けたくないという希望があるような場合には、便利なサイトだ。今後企業の評価が儲けだけでなく、社会貢献度やグリーン度などを基準に行なわれるようになった際には、こうしたサイトを使う消費者が増えることだろう。

ジェン・グリーンライフは独自の認定制度も持っていて、ビジネス側には特定のテスト結果に応じて3段階のグリーン度認定を与えている。グリーン度認定については現在、さまざまな組織が乱立し始めている傾向があるが、ジェン・グリーンライフは、企業リストにユーザー評価を加えることによって、その信頼度を高めようとしている。

もうひとつ興味深いのが、最近のグリーン関連メディアが単なるコンテンツ・アグリゲーターとして終わっているわけではないということだ。たとえばジェン・グリーンライフではAPIを公開して、グリーン関連のイベント、グリーン・ビジネスのディレクトリーを他のサイトでも利用できるようにしている。その他にも、モバイル用のアプリケーションがあり、手元のスマートフォンで近くのビジネスをすぐに探したりすることができる。ツールを伴っていれば、メディアもぐっと利便性を増すということだ。

ツールということで言えば、もうひとつご紹介したいのがグッドガイドというサイトだ。このサイトは、安全でグリーンな製品を独自のレイティングでリストアップしている。製品のカテゴリーは、ベビーフードから一般食品、化粧品、洗剤、おもちゃなど多岐にわたっている。

数年前、中国製のおもちゃやメキシコ製の歯磨きに有毒な材料が含まれていた事件が世間を騒がせたが、これを受けて、アメリカでは製品の安全性を正しく評価してくれる存在を求めてきた。グッドガイドはまさにそうした要望に応えるものと言えるだろう。

グッドガイドには、そうした製品評価のレイティングに加えて、いろいろなツールもそろっている。たとえば、スーパーの店内でヨーグルトのバーコードをスマートフォンで撮影すればレイティングが呼び出され、そのヨーグルトが健康上問題ない食品か、製造過程で環境や社会にとって悪いことを行なっていないかといった内容がすぐにわかるようになっているのだ。グリーンに対して、消費者がさまざまなツールでかなり積極的に行動できるよう、しくみが次々と作られているわけだ。それにしても、こうしてと「グリーン」はすでにひとつの業界になっていると言っても過言ではない。これまでの種々の業種を横切りにする、新しい業界である。グリーンに関するメディア、ツールはこれからの成長産業とみてもいいだろう。