vol.01

企業が発展していくために、欠かせないキーワードである「DIVERSITY」。
グローバルに事業を展開する大伸社グループにおいても、
非常に重視するべき取り組みのひとつです。
そうした中、今回は各事業会社で働く外国籍のメンバーや、
普段から海外のクライアントとやり取りが多い社員6名で、
ダイバーシティの重要性や今後の課題について話し合ってもらいました。

mct チャン・ティ・ミーハ MY HA THI TRAN

ベトナム出身。大学を卒業後、ベトナムの広告代理店に就職。その後、一橋大学でMBAを取得し、mctに入社。主に訪日外国人のヒアリングやアンケート、翻訳作業を担当している。

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大伸社ディライト 夏 的堯 XIA DEYAO

中国出身。中国の大学を卒業後、京都精華大学へ入学。グラフィックデザイナーとして大伸社ディライトに入社し、ビジュアルに関する制作業務を担当している。

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mct エリック・フライ ERIC FREY

アメリカ出身。2007年ミシガン大学にて、行動・認知心理学と言語学の二分野を修了し、2013年一橋ICSでMBAを取得。日本、ニューヨーク、上海でのビジネス経験を持つ。

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大伸社ディライト 顧 詩懿 KO SHIYO

中国出身。2016年に中国の大学を卒業後、日本で舞台音響の専門学校に入学。専門学校を卒業後、大伸社ディライトに入社し、訪日外国人のヒアリングやアンケート、翻訳作業、制作業務を担っている。

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mct 趙 展 ZHAN ZHAO

中国出身。インドの大学を卒業後、中国の化学メーカーに就職。2017年に一橋大学でMBAを取得し、mctに入社。マーケティングリサーチを担当している。

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ウィル・フォース 玉田 綾子 TAMADA AYAKO

日本出身。イギリス留学の経験がある。英語力とグラフィックのスキルをどちらも活かせる会社として、ウィル・フォースに入社。主に、家電の海外向けセールスプロモーションを担っている。

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外国籍スタッフが多く在籍する
大伸社グループで生み出される化学反応とは。

玉田)ダイバーシティというのは、決して国籍だけを指すものではないと思います。同じ国籍であっても、性格やライフスタイルが違う人間がお互いを認め合えばダイバーシティは生まれるので。でも、国籍が違い、文化が違うからこそさまざまな視点の意見がでるということもあるのではないでしょうか。

趙)そうですね。私が所属しているmctのグローバルユニットには、アメリカ、スペイン、ベトナム、中国など、いろいろな国の人がいます。国籍が違うからとは一概に言い切れませんが、リサーチをする時、いろいろな視点から意見が飛び交うのでいつもおもしろいなと感じます。その一人ひとりの意見がプロジェクトに役立つんです。

エリック)確かに、いろいろなキャラクターを持つメンバーが、それぞれの視点で意見を交わすことで良い化学反応が起こるのを実感します。それがmctの価値だと最近みんなでよく話してるんです。

ミーハ)そうした意見をミックスして、試行錯誤するからこそ質の高いクリエイティブなアイデアが生み出されます。でも、本当にいろいろな意見が飛び交うので、それをちょうど良いところに落とし込む作業は大変ですよね?

エリック)とても大変です!でも、いろいろな意見を集約していくということは、リサーチやマーケティングをする上では重要なこと。そうして、社内の意見を取りまとめるスキルもまた実務に役立っているんじゃないですかね。

顧)私はmctの方たちと業務の内容が違うので、少し違う形でダイバーシティの大切さを感じています。大伸社ディライトで制作の部署に所属していますが、コロナ禍以前は難波駅のすぐ近くにあるインフォメーションセンターで、観光客の方に観光地などを案内していました。観光客の動向をリサーチすることで、インバウンドをターゲットとした顧客へより良い提案をするというものです。観光客にどのような傾向があり、どのような場所を好むのかという視点は、中国出身者だからより精度高く理解できると思っています。

夏)私も顧さんと同じく、大伸社ディライトに所属しています。私は大学を卒業して、新卒採用として入社しました。今はグラフィックデザイナーとして、日本の人たちと同じように働きながら、必要なスキルを身につけています。でも、いずれまたインバウンドの需要が高まった時などのタイミングで、自分の語学力などを活かして、大伸社ディライトの中でも、自分にしかできないデザインを生み出していきたいですね。

顧)そうですね。インバウンドに関する業務が戻るのには時間がかかりそうなので、今の業務の中でも、夏さんや私のように日本以外にルーツを持つ社員が、新たな視点や気付きを提供できるのが一番良いかなと思います。 コンテンツを制作するなど、社外と積極的にコラボレーションし、知的価値の創出に取り組んできました。

大伸社グループ、そして、日本の企業が
ダイバーシティを加速させるために必要なこと。

玉田)ダイバーシティを生むのは国籍だけではないと先ほど話しましたが、国籍の違う人たちが集まることでダイバーシティが生まれるということは言えます。でも、日本人が国籍の違いに対してハードルを感じるのは事実です。私たち日本人は日本語以外の言語を話す人と距離をとる傾向にあります。あと、日本人は“みんなと同じ方が良い”という考えを持っているのも事実。そうしたマインドをリセットする必要があります。だから、とにかくいろいろな国籍の人たちがいる空間を作っていけば、おのずとダイバーシティは加速するのではないでしょうか。みんな違うということが当たり前になると思います。そうすると人と違う意見を言うのも怖くなくなるので、エリックさんの言う化学反応が社内でもっと起こると思いますね。

顧)玉田さんが言うように、外国籍の人を会社に入れるというのは効果的だなと私も思います。でも、その時は目的もしっかりと明示すると良いかもしれません。例えば、新しい視点が欲しいのであれば、日本人と同じような考え方をさせないほうがよいでしょう。会社のルールを守るのは当然ですが、思考回路まで同じにしてしまうとダイバーシティが生まれにくい環境になってしまいます。

エリック)ただ、ダイバーシティを意識しすぎている気もします。多様性のある組織づくり、多様性を活かしたビジネスをするのは、ナチュラルに始まるのが1番です。ルールを作るなど、あまり難しく考えなくても良いのではないでしょうか。どうやって外国人に合わせるのかを考えるのではなくて、どうやれば一緒にビジネスを成功させられるかを考えれば良いと思います。

玉田)日本人が外国人に合わせるのも違うし、外国人が日本人に合わせるというのも違いますよね。お互いを活かすことがダイバーシティですね。

趙)私もエリックさんに同意です。あとは、お互いのことを知るための環境づくりですね。例えばmctでは入社すると1対1で話す機会を作るなど、対話をする時間を作っています。そうして関係性を作ることがダイバーシティな組織を作るためには不可欠です。

ミーハ)そうそう、興味をもつということはとっても大切ですね。私のチームでは英語が共通言語ですが、英語を母国語としていないメンバーがたくさんいます。そのため、スムーズにコミュニケーションできない場面もありますが、その人たちのことを知っていれば、本当に言いたいことが伝わってきますから。

玉田)でも、日本人がそのままで良いと思う部分もあります。丁寧さとか、まじめさとか。

夏)私もそう思います。中国ではメールは要件だけを伝えますが、日本では手紙を書くように用件以外の事も書いているので、初めは少し不思議でした。対面での打ち合わせを重視するのも日本文化といえるかもしれません。確かに「会いに来てくれる=大切にされている」と感じますよね。これまで経験したことがない感覚なので、学びや発見が多いです。

玉田)そうですね、私も海外のクライアントと接する時は、メイド・イン・ジャパン・クオリティを求められているような気がするので、提出期限より少し前に出すことを心掛けています。そうすると、すごく喜ばれるので。日本企業の良さを上手く活かしながら、よりダイバーシティの考え方が広がると良いですね。